帰省を終えて、まだ東京生活が始まっちゃってる中、
「この時期、北海道じゃないと食べられない物ってあるんですか?」
と言う質問をされました。
「北海道は寒かった?」と「美味しい物食べて来たんですか?」
とは、よく聞かれるんですが、
旬かつ、その地域ならではの物を求めるピンポイントな質問に、ちょいとびっくりしました。
食べる事がとっても好きな方って、
着目点や執着がすごいな・・と改めて思った出来事だったりもします。
その質問に、思わず出た答えが
「ニシン漬け!」
「あとはハタハタかな・・・」
ニシン漬けは、こんな写真の・・・
キャベツ、大根、ニシンをざく切りにして、
細かく切ったニンジンやショウガを
塩・米麹で漬け込んだもので、^^;で、
塩味と麹の甘味のバランス、染み出したニシンの旨みが何とも言えないお漬物です。
(名前の割には、ニシンは殆どダシ)
質問された方は「ニシン漬け」と聞いた時、
魚を丸ごと(もしくは頭や内臓を外して)糠か何かに漬けた物を想像したらしいです。
なるほど~~^^;
文化の違いってあるものですね。
ニシン漬けって、あまり知名度が高くないのでしょうか。^^;
道産子(特に札幌・小樽近郊)ならニシン漬けは分かるはずw
知らないなら、むしろモグリと言っても良いと思います^^;
・・・で、何でこの季節じゃないと食べられないかと言うと、
米麹を発酵させて独特の味を出すんですが、
温かすぎると麹が発酵しすぎて、
甘くて締りの無い味になったり、もっとひどいと酸っぱくなっちゃうんです。
逆に寒すぎると、麹が発酵する前に凍っちゃって、
甘味や旨みが出ない;;
なので、そろそろ雪が降るかな~~~と言う頃に準備を始め、
漬かる頃には雪が積もってる
そんな微妙な時期に漬けるんです。
北海道では、冬が近づくと
スーパーの店先(入り口近くや駐輪場、駐車場等のスペースを使って)
ニシン漬けのために、大根と巨大なキャベツが売られるのが風物詩のようになってます。
ただし、私は数年前までそれがごくごく当たり前の事だと思ってましたが(笑)
東京で初めての冬を迎え、
ニシン漬けが食べられない事に気が着くまでは。orz
ちなみにキャベツがどれ位大きいかと言うと
ちょうど良い写真が
ヴィシュヌさんの記事にアップされてました。
相変わらずでかいです。(笑)
この写真を見た時はびっくりしましたね^^;
ヴィシュヌさんが札幌にいらしてる事も知らなかったので、
まさか、いつもお邪魔してるブログで、
こんなタイミング良く写真を見かけるとは思ってもいませんでしたからw
(あ、でかいキャベツでロールキャベツは作ったことないです^^;)
この巨大なキャベツを樽(と言ってもプラスチック製のでかい器)で漬けて、
軒先もしくはベランダに放置。(いや、厳密にはたまに様子みますが)
温かくなるとさすがに傷む(なんせ常温ですから^^;)
そんなこんなで、ニシン漬けは夏に帰省しても食べられないんです(笑)
たまに市販の物も見かけるんですが、
家庭の・・・所謂おふくろの味ってのもありますし、
先に書いた麹の微妙な発酵具合が肝なんで、
市販するために長期保存できるよう手を加えちゃうと何か違うんです;;
それでも、どうしても東京でニシン漬けを食べたくなったら、
「冷蔵庫とチルド室を駆使して、ほんの少しだけ()漬ける!?」
なんて笑い話を母としてましたが・・・はてさて。
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